じゃ、そう言って奴は立ち去ろうとした。


「ちょっと待て。」


慎が引き止めた。


「ん、何?俺、早よ病室に戻りたいんやけど。」

「“敵”ってどういうこと?」


奴は、にこりと微笑んだ。