執事と共にバレンタインを。

「ご無事でございますか」


春樹が、肩越しに問いかける。


「ええ、春樹」


恵理夜は、滑らかな動きで足を組みかえると足の縄も手にしたカッターで切り裂いた。

ペンケースから苦労して取り出したのは、カッターだった。