それは、恵理夜と過ごして、学んだことだ。

取り越し苦労であるうちは何の問題も無いのだから。


春樹は、ため息をついて重厚な懐中時計の蓋を開けた。

それは先日、恵理夜の手から送られた、大切な時計だった。