執事と共にバレンタインを。

「とにかく、恵理夜が拉致監禁されていたことなんか知らない部下は、相手に、二度も偽物を渡した」

「それで怒って乗り込んできてしまったのね」

「そういう訳だよ」


と、シラヤナギは肩をすくめた。


「とんだ勘違いでひどい目に合いましたわ」

「全くだ」

「そもそも、恋人が愛を誓うためのチョコレートに、大麻をカムフラージュさせようというのが間違っているのです」


と、恵理夜が憤慨したときまたも恵理夜の肩に手を置かれた。