執事と共にバレンタインを。

「けど、話がこじれたのはそこからなんだ」

「と、いいますと」

「先方には恵理夜が持っていると伝えてしまった。だから、最初から恵理夜が持っているとごまかすことにしたんだ」

「だから、私と同じかばんを用意して、その中に大麻の箱を入れたのね」

「ああ、恵理夜は何も言わずに帰ってきた。だから、恵理夜のかばんに入った大麻さえ渡せば、事は収まると思ったんだ」

「でも、事故でまた、チョコの入った私のかばんを持っていってしまった」

「その通りだ。しかも、先方の事務所に行ったら大惨事が起きていた」


恵理夜と春樹のおかげで大半の人間がのされていたからだろう。


「正当防衛ですよ」


シラヤナギは苦笑を噛み殺した。