執事と共にバレンタインを。

「恵理夜が用意した箱を失敬してバレンタインチョコに見せかけた大麻を冷蔵庫に入れた」

「でも、私たちが同じ箱でたくさんのチョコレートを作ってしまったから、大麻が見つからなくなってしまった、とか?」

「その通りだ。取引当日の今日、どうしても大麻が見つからない。そこで、恵理夜が持ち出したと勘違いされたらしい」

「でも、私が持っていたのはただのチョコレートでしたよ」


それは、食べたカトウの怒鳴り声が証明している。


「間が抜けた話だよ。大麻は最初から冷蔵庫にあったのだから。すまなかったね」


恵理夜は呆れた。

ただの勘違いで拉致監禁までされたというのだ。

シラヤナギは心底から謝った。