キーンコーンカーン…


「おりゃああぁぁあああ!」

皆は歓声を上げ、嵐の様に教室を出て行く。

そんな中、あたしの元に颯がきた。


「陽奈、一緒に昼食べよ?」

颯は、あたしの事を呼び捨てにし始めた。

思いもよらない言葉に、あたしは驚いた。


「え? いいの?!!」

思わず、笑顔が零れる。

「いいってか、…俺らが一緒に食べたくて誘ったんだよ」

照れた様に笑う颯。


「ありがと! 

…食べたい場所があるんだけど、いい?」



あの場所。

昨日、見つけた場所。


「おう! 一緒に食べれるんなら!」

笑う颯と、本を閉じ、微笑む涼太くん。