いつもは冷静な涼太まで、驚きが隠せないみたいだった。


勿論、女とくれば、…悠里も。


「…んで、女が……」

怒りに震えてるのか、放心状態だった。

颯が、とても嬉しそうに、前を見てる。


俺も吊られて前を見た。


なんか怒って、下を見てる涼太のおふくろ。

そこに、女がいると気付いたのは、


「あ、あの! 先生っ!!

あたし、多分がっこーを間違えたかと――「なに言ってるんです?! 見なさい! ほら、ちゃんと1年A組、高澤 陽奈って書いてあるじゃない!!」


それが聞こえてからだった。


マジで、女…。

周りの奴は、皆顔を赤くしてるし。


ここからじゃ、そいつの顔は見えねぇけど。


「陽奈ちゃんだってさ♪」

嬉しそうにしてる颯がいた。