愛を意識し始めたのは…

ちょうど一年前。

俺らが中一の夏だった。




酒、タバコ、喧嘩、盗難、無免許

夜遊び他…一番荒れていた俺

に母親は限界だったようで…


「あんたなんか生まなきゃ

良かった!」


まるで鋭い刃で刺された様な

感覚だった。

喧嘩よりもずっと痛かった。

悔しくて悲しくて…家を

飛び出した俺は学校近くの

公園に向かった。

「くそっ…」

俺はベンチに座り込んで

オレンジ色の空をずっと

見つめていた。

「…裕也?」

いきなり名前を呼ばれ顔を

上げると愛が立っていた。

「やっぱり裕也だ♪」

「愛…」

入学式の時に愛とは

知り合っていてその時は

仲の良い友達だった。

「…何か…あった?」

「……」

愛は何も言わずに隣に座って

空を見上げた。