「悪いな。急に呼び出して」
叔父貴は振り返ると、あたしに小さく詫びた。
「いいって。あたしも来たかったし」
なんて言ってしまった。
思わず顔を赤くすると叔父貴はちょっとだけニヒルに微笑んだ。
ギュ~~~ン!!
心臓が変な音を立てて縮こまった。
それにしても……
相変わらず広くてきれいな部屋。
入ってすぐから奥まで落ち着いた茶色のカーペットが敷き詰められた廊下が続いている。
左手に20畳程のリビングとダイニングキッチンがあり、突き当たりがバスルームとパウダールーム、トイレ、さらに右を向くと叔父貴の書斎と、寝室という造りだ。
独り暮らしには少々広すぎる部屋だと思う。
それとも、叔父貴はあたし以外の誰か女を招き入れることがあるのだろうか……
考えて虚しくなってきた。
叔父貴はあの通りの見てくれだし、もてないってことは絶対ない。
狙ってる女だって大勢いる筈だ。
それでも、叔父貴から「おいで」と言われると特別な存在になった気がする。



