「誰だよ」
千里がおもしろくなさそうに目を細めた。
「叔父貴…じゃなくて、叔父さんだよ」
「ああ!あのちょいワルでセクシーなイケメン叔父さん!!」
リコが手を合わて飛び跳ねた。
ちょいワルじゃなくて、マジワルだけど…ってこの際突っ込みはいっか。
「リコ知ってんのかよ」と千里がリコを見る。
「うん♪一度朔羅を迎えに来た事あって挨拶した~。かっこよくて大人で礼儀正しくて、声がセクシーで、背が高くてスタイルが良くて、ついでに言うと脚も長いの」
「へぇ」
千里がぶすりと無愛想に生返事を返す。
「叔父さんって元ヤンだったでしょ?ちょっと悪っぽいところがにじみ出てそこがまたかっこいいんだよね」
いや。
元ヤンじゃなくて、現在進行形でヤクザです。
とは言えね。
「てかお前いい加減ケータイ変えれば?ボロボロじゃん」
話題を変えるよう千里はあたしの白いケータイを覗き込んだ。
確かにあたしのケータイはもう4年も使っててあちこち剥げかけてるし、ついでに言うと電池パックのカバーがない状態。
可哀想なケータイだ。
「ん~、でもこれ気に入ってるんだよね」
叔父貴がくれたやつだし☆
「買い換えるお金も今はないし。地道に貯金して溜まったら変えるよ」
新しいケータイに変えれるのはまだまだ先だな。



