サクラ そんな風に名前を呼ばないで。 あたしは桜が大嫌い。 この日、叔父貴は片割れの龍を失い あたしは 罪と言う名の錘を背負った。 過去は清算されることなく、いつまでも黒い事実としてあたしの胸に刻まれてる。 “黄龍”を手に入れるには、あまりにも大きな代償だった。 あたしは視線を桜の根元に目を戻した。 下を向くと涙が止まらなさそうだったけど、上を向くことはできなかった。 視線を戻してあたしは目を開いた。 メガネ――― いや、龍崎 戒がその場に微笑みながら横たわっていたから―――