俺はちょっと微笑んだ。


「写真で見るよりずっといい女」


想像してたよりずっと強くてたくましくて―――心優しい女。








「黄龍―――――俺はずっと探してた」









俺は屈みこむと、朔羅の白い頬にそっと口付けを落とした。


朔羅の首や髪から、桜の香りがふわりと漂ってきた。


俺の大好きな香り。






「チェリーブロッサム。朔羅……か」



君にぴったりだな。



心の中で呟いて、俺はその無防備で可愛い寝顔にそっと微笑みかけた。






君はまだ知らない。


俺が龍崎 琢磨の養子になった理由を。


龍崎 琢磨が何を考えてるのかも。



知ってしまったら君はきっと傷つく。




深く―――深く……もしかしたら、浮上できないほどの傷を負うかもしれない。




だけど願わずにはいられない。



朔羅が、どうか幸せになりますように、と。




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