「……よ」


俺の言葉が聞こえなかったらしい。わざとらしく耳に手を当てると、笑いながら聞いてきた。


「は?聞こえね~よ」


ケラケラと下品な笑い声が廊下に響いた。


ここ、結構声響くな。


俺様の美声が誰かに聞かれなきゃいいんだけど。





「失せろって言ってるんだよ。このバカ共が」





俺は男共を一瞥すると、思った以上の反応を見せてくれた。


男共は顔色をさーっと変えて、回れ右して走り去っていく。





チッ





「口ほどでもねー奴ら」



つまんねぇな、とぼやいて俺は保健室の扉を開けた。