「な、何でもない!ごめんリコ、また明日!」


あたしは強引に通話を切ると、入り口の方をぎっと睨んだ。


「何なんだよ!監視みたいな真似しやがって!!」


あたしの怒り声に怯んだ様子もなく、鴇田はちょっと肩を竦めた。


「別に、監視じゃありませんよ。ただ、今日日(キョウビ)の女子高生はどんな話をするのか気になったもので」


「この変態野郎!」


あたしは近くにあるクッションを入り口目掛けて投げつけた。


鴇田はそれをあっさりキャッチ。


うっすらと笑みを浮かべて、立ち去っていった。




ムカツク!!


ムカツク、ムカツク、ムカツク―――!!!


何なのあいつ!


八つ当たりでクッションをやたらめったら壁に投げつけていると、指がケータイに触れた。


不在着信やメール受信を知らせるランプが七色に光っている。


のろのろと開くと、リコと千里から着信が10件、メールが20通ほど届いていた。


メールの内容は、どれもあたしのことを心配してる内容だった。


千里に詫びのメールを送ったところで、新しいメール受信がきていたことに気付いた。


見慣れないアドレス。


誰だろう…


メールを開いて、あたしは目を開いた。