「それに、勝手にあたしの婚約者に決めて!!


あたしの意見は全部無視かぃ!!!


あたしがどんな思いでっ!



どんな気持ちで戒からことの全容を聞かされたと思ってるんだよ!!!!



叔父貴はっ!





叔父貴は結局あたしなんかより、青龍の方が大事なんじゃないか―――!!!」





口から出た、汚い言葉、汚い想い……


一つずつ…ちゃんと叔父貴に聞いて、ちゃんと消化していくつもりだったのに、怒りはまるで滝のように、留まることを知らなかった。


あたしの中に…叔父貴に対してこんな怒りや不満があったことに驚きだ。


思えば、叔父貴にこんな大声で怒ったのは初めてだった。


こんな…こんな風に怒りまかせに聞きたかったわけじゃないのに……



全てを言い終えて、あたしは肩で荒く息を吐いた。


叔父貴は……


困るか、怒り出すかのどちらかだと思った。


でも怒り出すことはない、と踏んでいる。あたしの言ってることは正当で、例え叔父貴に考えがあるとしても、あたしは知らされてない。


不満に思うのも、怒りたくなるのも当たり前の感情だと思う。


だが叔父貴は、僅かに眉間に皺を寄せると、ほとんど無表情に近い顔で、





「…………言いたいことはそれだけか?」





と静かに言い放っただけだった。