ストレス………?


戒がストレスを抱えてたって??


そりゃないだろ。あの我が道を行く戒が、だよ!


どこにストレス抱えてるってんだよ!!


「ストレスなんて抱えてねぇよ。俺のは単なる食いすぎ」


戒が面倒くさそうに呟くと、苛々した面持ちで起き上がろうとした。


その肩を強引にドクター鴇田が押し戻す。


細そうに見える腕だけど、結構な力がありそうだ。


「諸君、男子高生の食欲を舐めてはいけません!」


メガネをくいと持ち上げ、ドクター鴇田はあたしたち三人を順に眺め指差した。


「「はぁ…」」あたしとキョウスケはドクターの迫力に押されて、若干引き腰。


「特に君は背もあるし、筋肉のつき方、量からして相当な運動量をこなしている筈。ゆえにそれだけのエネルギーを蓄えるのに、かなりの必要量を要する筈!!

と、前置きはここまで」


前置き長っ!ってか、もっともらしいこと言って結局何が言いたいんだ、この人。


「男子高生は性欲よりも睡眠欲よりも、何よりも食欲が大部分を占め、何よりも勝る生き物!!

食欲旺盛なのは結構!」


ズバリ!と言い切って、満足そうに頷いたドクター鴇田。


「「…………」」あたしとキョウスケはびっくりして声も出せない。


ホントにあの蛇田の実の兄貴なのか疑わしいぜ。


「んで…結局こいつの胃炎の原因はやっぱり……」





「ストレスです」





話長っ!!こいつが一番ストレスだっつぅの!!