お、叔父貴―――!!


た!助かったぁ!!




立ち話もなんですから、どうぞ。と叔父貴の勧めで何故かあたしと戒もくっついて最上階にある叔父貴の会長室に移動することになった。


途中、広いエレベーターホールで常務取締り役兼秘書的な存在の蛇田―――もとい鴇田と鉢合わせた。


蛇田はあたしらを見ると、一瞬驚いたように目を開け、だがすぐに表情を取り繕うと似非臭い笑顔を浮かべた。


「これは、これは。随分と変わった組み合わせで」


言葉の裏に意味深な何かを感じる。


いつ見ても、いけすかないヤツ。


「あらぁ、鴇田はん、お久しゅう」


「虎間の姐さん。ご無沙汰しております。相変わらずお美しい」


歯の浮くような台詞に、ぞぞぞっと鳥肌を立てていると、


「いややわぁ。相変わらず口がお上手どすなぁ」


バシ!と戒ママが笑顔で鴇田の背中を力いっぱい叩く。


「いてぇ」


鴇田が目を丸めてびっくりしていた。


「「プッ」」


あたしと戒は顔を見合わせてこっそり笑った。


あの蛇田がたじたじ!いいざま!!




でも



戒ママと蛇田は顔見知り??叔父貴も昨日今日の仲じゃないみたいだし。


青龍と白虎は盃の件がなけりゃ敵同士。


なのに、この妙に和気藹々とした雰囲気は何―――?