迫力のある視線で戒を睨んでいると思ったら、急にこっちに振り向いた。
わ゛!
ど、どぅしよ!!
あ、挨拶するべきだよね。
で、でも嫌われたらどぅしよ。めちゃくちゃ怖いって言う噂だし。
そんなことを考えながらも、あたしは急いで頭を下げた。
戒ママは猫のように釣りあがった目であたしをじっと見ると、ずいと顔を寄せてきた。
瞬間、すごくいい大人の女が纏う香りがほのかに香ってくる。
ぅわ!
な、何??
「あんたが朔羅さん?うちの子を誑かしよって!」
なんて怒鳴られるのを覚悟していた。
だけど
「あんたが朔羅ちゃん!?いややわぁ、みっともないとこお見せしてしまって。それにしても…」
戒ママは赤い唇ににっこり微笑みを浮かべる。
う…うわぁ、すっごい色っぽい。
あたしも大人になったらこんな風になれるのかなぁ…
って見惚れてる場合じゃない!
「す、すみま…」
何に対してか、とりあえず謝っとこうと思いあたしが頭を下げたとき、ぎゅうと戒ママがあたしを抱きしめてきた。
へ―――!?
「なんって可愛いらしい子♪戒!あんたようやったわ!!」



