あたしが声もなく立ち止まると、戒は不審そうにあたしを覗き込んできた。
「どうした?」
「あ……あれ……」
あたしは、和服美人と楽しそうに笑いあいながら手を取る叔父貴を指差して複雑に表情を歪めた。
叔父貴……楽しそう…
誰、それ??
「あー…?」
とぞんざいに言って戒もセルシオの方に目を向ける。
そして同じように身を固まらせた。
戒も……やっぱショックだったのかなぁ…って、でもこいつは叔父貴のこと好きってわけじゃなかったんだっけ…
じゃ、何で?
と思うとほぼ同時に戒はくるりと回れ右をした。
「わり。俺、用事ができたから先帰るワ」
「はぁ!?あたし一人にするってどういうことでぃ!!」
ってかこの状況にあたしを残していかないでくれ!!
ぎゅーっと、戒の腕を引っ張ったけど、こいつはもの凄い勢いであたしごと前に進んだ。
「ちょっ!戒!!!」
あたしの声に気づいたのかな…
叔父貴と……和服美人が同じタイミングであたしらに気づいた。



