四人で学校から出ると、あたしはいつもの道と反対方向を見た。


「リコと千里。わりぃけどお前ら二人先帰って?」


「え?何で~?」


「もしかしてデート!!?」


千里が歯をむき出してキッと戒を睨んだ。


「ちげぇよ!叔父貴の会社にちょっと用があんだ」


あたしの言葉に戒とリコは揃って顔を合わせた。


何だか、最近お前ら息ぴったりじゃね?


軽~くジェラシーを覚えて、あたしは慌てて首を振った。


「ちょっと話したい事があるんだよね。聞きたいことも…」


「……うん。分かった」


真剣なあたしの表情を読んでか、リコも真面目な顔で頷き、千里の腕を引いた。


「ほら、千里も。早く行くよ」


「ちょっ!待てよ。俺は朔羅と……」


と何か言い続けていたが、リコに無理やり引っ張られていく。


「朔羅~」と名残惜しい声を撒き散らしながら、二人は駅の方へ向かっていった。


「……で?琢磨さんに何の用なんだよ」


戒が腕を組んで、ちょっと不機嫌そうにあたしを見下ろした。


あたしは……


ずっと青龍と白虎が手を組む。あたしと戒がいずれ結婚する。


って言う事実から目を逸らしてきた。


ううん。いずれそうなってもいい。


でも叔父貴が何を考えているのか。何を思ってそんなことをしたのか。


戒やキョウスケ、リコのお陰で無事追試も終えた。


それで、ずっと目を背けていた事実にとうとう向き合う決心をしたんだ。