「あ、そーだっけ?」
あはは、とあたしはわざとらしく笑い、キョウスケの手から逃れようと、ちょっと手をずらした。
それをキョウスケの手が阻む。
ぎゅっと握った手は思いのほか熱かった。
大きな骨ばった手。
あたしの手とは造りも力も全然違う。
「ど…どうしたの?」
曖昧に笑うと、キョウスケが顔を近づけてきた。
びっくりするぐらいの至近距離。
思えば、こいつとこんなにくっつくの初めてで。
しかし…つくづく思うけど……白虎の男ってのは何でこんなイケメン揃いなんだよ……
だからかな。
心臓が変な風にドキドキしてるのは…
「朔羅さん……」
キョウスケは低く囁くと、さらに顔を近づけてきた。
すぐ近くにキョウスケの唇がある。
きれいな形をした、薄い唇……
な…何―――――



