わ!わわっ!!
どぅしよ…
慌てて席順のプリントを顔まで引き上げようとすると、龍崎さんはあたしを見て
にっこり微笑んでくれた。
太陽みたいな
明るい微笑み。
砂糖のような
甘い微笑。
わぁ!可愛い!!って言うか、笑ってくれた。
友達になれたらいいな♪
そんな気持ちで入学式を終え、学校から帰る時間になった。
みんなそれぞれ、仲良くなった友達同士楽しそうに喋りながら帰っていく。
あたしは一人……
はぁ。誰にも喋りかけれなかった……
勇気を出して龍崎さんに「一緒に帰ろう」と言いたかったけど、彼女はどうやら一足早く帰ってしまったようだ。
そんなわけで、学校の敷地をぐるりと囲む塀の下をとぼとぼと帰る。
塀の中…つまりは学校の庭には満開に咲き誇った桜の花が鮮やかに花開いていた。
淡いピンク色をした桜の花びらは、きれいで儚くて―――
同じ名前を持つ彼女と酷似していた。



