戒に対する気持ちは……


確実に……少しずつだけど、変化をしている。






「龍崎さん、おはよ♪昨日どうしたの?風邪でも引いた?」


ふいに後ろから声をかけられ、あたしは首だけを振り向かせた。


メガネ2号がちょっと心配そうに眉を寄せている。


「おはよ。昨日はちょっと体調崩して…寝込んでた」


嘘だけど。


しかも寝てた場所はホテルだ。


隣に戒が居たことを思い出すと自然に顔が熱くなる。


「顔、赤いよ。保健室行ったほうがいいんじゃない?」


「あ、ありがと。でももう平気」


あたしは曖昧に笑うと、リコの方を見た。


リコ!ヘルプミ~


あたしこいつ苦手……




いい奴なんだけど…


メガネ2号は、何かとつけてあたしにちょっかい出してくる。


「ペン貸して?」とか「宿題やった?」とか可愛いもんだけど。


それでもうざいことには変わりない。


「龍崎さん、これ昨日のノート。もうすぐ試験もあるし」


そう言ってメガネ2号はあたしとリコの間に割り込んできた。


うざ!


「朔羅には俺らからノートのコピー渡したからいいの」


と千里が助け舟。


ホントはコピーなんてもらってないけど。


それでも、助かるぜ。千里。


「え~そうなの?せっかくきれいにまとめたのに」


メガネ2号は残念そうに眉を寄せ、何気なくあたしの手元に視線を落とした。





「龍崎さん、それ指輪?」




めざとく見つけたメガネ2号があたしの腕を取った。