部屋の中央で戒はこっちに背を向けて丁度着替えをしている最中だった。


制服のシャツを脱いでいるところで、背中の半分ほど上が露になっている。


きれいな筋肉の背中に、ホワイトタイガーの紋がちらりと見えていた。


ぅを!!


生着替えにあたしは一瞬焦った。


「キャっ!」


と可愛らしく声を上げ、リコが顔を覆う。


リコ……あんた何て可愛い反応なんだ……


「え?川上……さん?それに……えーっと…」


戒は振り向いて、リコと千里を見た。


「一ノ瀬 千里だ!お前、クラスメイトの名前ぐらい覚えとけよ!!」


千里が勢い込んだ。


「悪りぃ、悪りぃ。俺、男に興味ねぇんだワ」と戒はしょっぱなから本性モード全開。


あたしは額を押さえた。


「まぁ昨日のアレで正体バレたみたいだし?今更隠したってしょうがねぇだろ?」


HAHAHAHA!


腕を組んで豪快に笑う戒に、リコは呆気にとられて口をぽかんと開いているし、千里はまるで威嚇する猫のように毛を逆立てていそうだった。


平穏な話し合いをする為に


とりあえずアイツを黙らせておくべきか?



あたしは手の関節をポキポキと鳴らした。