。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


「……なんだよ?」


苦笑しながらネクタイを整える戒。


あたしは戒のネクタイの端を掴んで、ぐいっと引っ張った。


「何す…!!」


戒の抗議の声は、途中でかき消された。






あたしの強引な口付けによって―――







びっくりして固まったままの戒を開放すると、あたしは照れ隠しに軽く睨んだ。




「いつかのお返しだ。バーカ」




戒は最初びっくりして目を開いていたものの、すぐにふっと表情を緩め、


「まったく。お前はいっつも俺の心をかき乱す。普通の女に通じる戦法が全く通じないって思ったら、こっちが予想もしなかった方法で攻め込んできやがる」


と言ってちょっと笑った。



「じゃぁ、これもかわせるか?」



あたしは赤くなった顔を戒から背けることなく、まっすぐに見上げて口を開いた。






「あたしあんたのことまだ好きとか分かんないけど。




もっと知りたいって思う。




だから、とりあえず……




付き合わない―――?」