手鏡を覗いてあたしはびっくりした。
両サイドの髪は軽く編み込みにしてあって、その上ハーフアップにしてある。
髪を結んだゴムはどうやら、戒がさっき買ってくれた花のコサージュがついたヘアゴムのようだ。
「可愛い!!☆あたし、お姫様みたい!!」
「お姫様ってあんた…髪結っただけだよ」
背後で戒が呆れたように呟いたが、声は柔らかい。
「こんなんで、そこまで喜ぶお前の方が可愛いっつーの」
さりげなく言ってあたしの頭をぽんぽんと叩く。
ドッキーン!
あたしの心臓が大きく跳ね上がった。
ヤバイ!!何かツボ!
心臓の辺りを押さえると、押さえた左手には戒がくれた指輪がはめてあった。
照明の光りを受けてピンクの花びらがきらきら光っていた。
良く見ると、濃いピンクのジルコニアの粒が埋め込んである。
凝ったデザインだ。
それをまじまじと見つめていると、
帰り支度をしながらネクタイを締めなおしていた戒があたしの顔を覗き込んできた。
「どした?帰らねぇのか?」
「……あ、うん……」
あたしは曖昧に返事を返して、戒を見上げた。
戒は
あたしの欲しいものをくれる。
そうでないものもくれそうだけど……
予感―――
あたしはきっとこいつを好きになる。



