あたしは戒の襟をぐいと掴んで引き寄せると、間近でこいつを睨んでちょっと笑った。 「ついでに教えてやんよ。 あたしの黄龍先代は――― あたしが殺した」 戒は可能なだけ目を縦に開いてあたしを凝視してくる。 そういう顔が見たかった――― 嘘 ホントは知られたくなかった――― 一生 誰にも だけどホントのあたしを知ったら こいつだって離れていく。 だったら早い方がいいじゃないか。 最初から居なかったって思えるから。