くっそーーー!!
不覚にもドキドキさせられる!
それにこいつ…草食系男子が流行る中、何でこんな肉食なんだよ!
隣に居たらすぐにガツガツ喰われて、骨まで残りそうにない。
見た目仔うさぎみたいなのに、こいつはやっぱ虎だ。
あたしは戒の不敵な笑みの向こうに牙を剥いた虎が大口を開けて今にも飛び掛ってきそうなものを感じ取った。
はぁ。
あたしはため息を吐いて戒の手に自分の手を重ねた。
「こっち」ぶすりと答えると、戒がにっこり笑って
「素直でよろしい」と柔らかい声で答えた。
強張ってたあたしの掌の中に戒は自分の掌を合わせ、閉じられた指の間をこじ開けるかのように指を滑らしてきた。
長くて細い……きれいな指。
って!!
これって俗に言う“恋人つなぎ”!!?
うっわ~~~!!初めてしたよ!
ってかあたし男の子と手繋ぐこと自体始めてだ!!
うわっ!どうしよ…緊張する……
なんて考えてると、
「プ」と戒が隣で吹き出した。
何だよ、と睨み上げると、
「朔羅、心の声全部聞こえてる」
戒はゲラゲラ笑って、あたしを見下ろしてきた。
「うっせーな!!どうせあたしは初心者だよっ!」
恥ずかしさを紛らわすためにあたしは戒を睨み上げた。
「可愛いじゃん♪」
そう言って戒があたしの頭にチュッとキスをしてきた。



