。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


店に出ると戒があたしの隣で


「ん」


と短く言って手を差し出してきた。


「は?」


もしかしてさっきのマック代寄越せって??そう言えば払ってなかったな。


しょうがない。


そう思って鞄を開けて財布を取り出そうとすると、


「そうじゃない。手。手繋ごうぜ」


と戒がおもむろにあたしの手を取った。


骨ばった大きな手。あったかくて……



じゃない!!



「何すんだよ!つなぐかよ」


あたしは叫んで、バッと手を振り払った。


「ふーん…」戒は何か企んでいるのように目を細めた。


「んじゃこっちがご所望?」


そう言ってぐいと肩を寄せられ、あたしの体はあっけなく戒の胸に埋まった。


「バ!バカっ!!そんなんもっと恥ずかしいだろ!!!」


「じゃ手繋ぐ?どっちか選べよ」


耳元で低く囁かれて、あたしの心臓がびくりと跳ねる。


「どっちもヤダ!」


そう怒鳴って戒の体を押しのけようとしたけど……


ドキドキして力が入んない。


もちろん戒の体はびくともしない。


「どっち?」


戒が意地悪く笑っている。