はぁ!!!!


婚約者!!



「……あ……あんた…その歳で婚約者が……居るの?」


あたしは震えながら戒を指差した。


「ってか待てよ!?あたしとあんたは結婚させられるってことだから、あんた重婚!!?」


「難しい言葉知ってるじゃねぇか」


戒はにっこり笑って頬杖をついた。


「冗談じゃねぇ!!あたしゃ2号さんなんてお断りだよっ!!」


思わずテーブルを叩いたら、周りの客がびっくりしてあたしを見てきた。


慌てて身を縮ませる。


「正妻ならいいってわけ?」


頬杖を着いたまま戒がのんびりと聞いてきた。


「そういう問題じゃねぇ!!妻は一人がいいに決まってンだろ!」


あたしの言葉に戒はにまっと笑った。


う゛!何だよ、その不吉な笑みは…


「ってことは朔羅は俺と結婚してくれンだ♪」


しまった!!またもこいつの誘導にやられた!!!


ぁあああ!!と一人で悶えていると、






「婚約は断ったよ」




と戒の冷静な声が聞こえて、あたしは目を開いた。