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「朔羅さん、何か苛々してない?」


同じ学校だし、おまけに同じクラスだし、メガネと一緒に登校するのは気が引けたが、こいつの面倒をくれぐれもよろしくと、叔父貴に念押しされちゃしょうがねぇ。


色々考えたいことがあったのに、あたしたちは肩を並べて登校することになった。


昨日はじっくり見ることがなかったけど、メガネは結構背が高い。


まぁ、叔父貴ほどではないけど。



何だろう。


学校の敷地に入ると周りの生徒たちの視線があたしたちに集まってる。


「誰あれ?かっこい~♪」


「転校生かな?イケてない??」


なんだメガネのことを噂してるのか。






「朔羅ちゃ~ん!!」



遠くで声がして、男が走り寄ってきた。


ゲ!


あたしは思わず眉をしかめた。


金髪に近い茶色に染め上げた髪をきれいに立たせている。学校一不良と名高い、進藤(シンドウ)先輩だった。


去年、入学したときからしつこく言い寄られてる。



うっぜーんだよ!この、キモ金髪野郎っ!!



なんて言えやしない。