メガネはリコの前にすっと手を伸ばすと、リコの前に立ちはだかった。


リコを隠し守るようにして男を睨む。


「何だぁ!?」


「こいつマジ目障りでさぁ。丁度いいや。四人まとめて連れてこうぜ?」


キモ金髪野郎が下品な笑みを湛えると、周りにいた連中があたしたちの周りを囲んだ。


「り……龍崎くん……」


リコが震え上がってメガネの袖を掴んだ。


「これってヤバイ状況なんじゃねぇの……?」


千里の声も動揺している。





こんな奴ら…


ものの五分で片付けることができる。


けど……


こんな人通りが多い街中で暴れるわけにはいかない。


あたしはゴクリと唾を飲み込んだ。





―――――


四人まとめて連れて来られたのは使われてない工場の古い倉庫。


こいつらが溜まり場にしているらしい。


倉庫の入り口にカラースプレーで下品な落書きがしてあった。


ってか、どこかで見たシーン…


あぁそっか。任侠映画の決闘のシーンだ。


なんて、冷静に考えてる場合じゃねぇ!!


どうする?


千里とメガネはまぁ…いいとして。


リコだけは絶対に危険な目に合わせるわけにはいかない!