でも何でかな……


あたし……虎間はメガネであってほしいと思うんだ。


どうしてそう思うのか分かんないけど…二人が同一人物だったら…………




ちょっと待て!!!



あたしは顔を青くした。


同一人物だったら、あたしはメガネとキスしたことになる!!


あ、あのメガネと!!!



ぅが~~~っ、と考えてる最中


「何さっきから百面相してるんだよ」と千里の怪訝そうな声が頭上から降ってきた。


「もう下校時間だぜ?」


「へ?もうそんな時間?」


ヤバイなぁ…今日一日の記憶がすっぽりと抜けてる。


「なぁ朔羅」


千里はあたしと同じ目線になるよう屈みこむと、映画のチケットのような券をひらひらさせた。


「こないだ言ってたファミレス。パフェのただ券があるから……その……」


えらく歯切れの悪い物言いだ。しかも顔が真っ赤。


どうしたって言うんだ?こいつぁ。


「何だよ。はっきり言えよ」


あたしの言葉にがばと千里が勢い込んだ。






「俺と!今日一緒に行かねぇか!!」