あたしの発言に女がまばたきをして、その節にとうとう大粒の涙を流した。
あたしはソファに歩み寄ると、二人がけのソファに身を縮ませるようにして座っている女の隣に腰を降ろした。
「……泣くな。まぁ怖かっただろうけど、気を取り直して何とか方法を考えな」
あたしの言葉に女はワッと声を上げて泣き出すと、勢い良くあたしに抱きついてきた。
「……はいっ。ありがとうございます」
よっぽど怖かったのだろう。
まぁあたしは慣れてっけど、カタギには辛いことだよなぁ。
女は涙を抑えながら帰っていった。
「お嬢……いいんですかい?もし回収できなきれば」
タクが不安そうにあたしを見る。
もし回収できなければ、叔父貴からお叱りを受けるのはタクだ。
こっちも慈善事業じゃないことは、あたしも百も承知だ。
だけど……
放っては置けなかった。
「もしバックレたんなら、あたしが20万肩代わりすんよ。貯金がないわけでもないし。その気になりゃバイトでもして…」
「お嬢!!お嬢にそんなことさせられませんよ!」
タクが勢い込んだ。
あたしは今にも死にそうな顔をしているタクの肩を乱暴にバンバン叩くと、
「なぁに大げさなこと言ってんだよ。何とかなるって!!」
と言ってにかっと笑った。
クスっ
かすかな笑みが聞こえて、あたしはカウンターの向こうで電話番をしているキョウスケを見た。
「やっぱり、お嬢は大物ですね」
あまり見せることのない……
キョウスケが笑顔を浮かべていた。



