今日は土曜日。
リコんちに遊びに行く約束をしていたんだ。
時間を見ると結構ぎりぎりだった。
てか、もう11時かよ。あたし寝すぎ!
慌しく起き上がって、叔父貴と一緒に茶の間に行くと、タクをはじめとする組員たちが各々好きなことをやっていた。
その中にメガネの姿はない。
でも揃って出現した叔父貴とあたしを見て、みんな慌てて姿勢を正す。
「「「会長!お嬢!!おはようごぜえますっ」」」
「おはよう」
叔父貴が腕を組みながら優雅に挨拶をかます。
く~~~この威厳。この迫力!たまらんぜっ!
「お嬢、今日はお友達の家に行くんじゃなかったんですかい」
タクがまだパジャマのあたしを見て不思議そうに首を傾げた。
いっけね!出かける用意しなきゃ!!
「ごめん!叔父貴。あたし準備してくる」
慌しく居間を飛び出て、歯を磨き顔を洗うと、ドタバタと自室に行ってあたしは慌てて着替えを済ませた。
今日はデニムのミニスカートに、花柄のシフォンブラウス。靴はウェスタンブーツでいいか。
なんて考えながら居間に姿を現すと組員たちの視線が一気に集まった。
「お嬢!可愛いっす!」
これはいつものこと。組のもんはあたしが何を着ても大抵そんな風に褒めちぎってくれる。
嬉しくないわけじゃないけど、何ていうか慣れた?
ちらりと叔父貴を見ると、朝食中だった手を止めてあたしをじっと見つめている視線とばっちり目が合っちまった。



