あたしは再び向き直ると、メガネの元へ走り寄った。 何でこのあたしが、恋敵で喧嘩してる相手を助けなきゃなんねんだよ。 でも、あいつはあいつなりに何度もあたしを助けてくれた。 時に間違ってることを叱ってくれた。 悪い奴じゃない。 嫌な奴じゃない。 そう思ったから、あたしは動いたんだ。 「メ……龍崎くんっ!!」 階段の下で叫ぶ。 最初にメガネが、そしてキモ金髪野郎と取り巻きたちの順でそれぞれが振り返った。