可愛くて性格良さげで、器用で……


マドンナを狙ってる男はいっぱいいるって言うのに。


あいつも……叔父貴のことが好きなんだな。




そう思うと、何故だか胸の奥がきゅっとなる。


とぼとぼと歩いていると、三年の校舎に続く中央階段で、メガネの姿を発見した。




メガネ……?


そっちは三年の校舎だぞ。何の用があるってんだよ。


そんなことを思って目を凝らしていると、メガネは一人じゃなかった。


キモ金髪野郎とその取り巻きたちに囲まれてる。


どう見ても「仲良くお話しましょ」って言う雰囲気じゃない。


逃げられないように、キモ金髪野郎がメガネの肩にがっちりと腕を回している。




あいつ



やばいんじゃねぇか?






「もっと自分を大事にしたら?」



メガネの言葉が頭を過ぎる。



うっせぇな。てめぇに言われたかねぇんだよ!



あたしはスカートの裾をぎゅっと握ると、くるりと踵を返した。



あんな奴どうにでもなっちまえ。








でも―――





「ぁあ!!もぉ!!!」