マドンナは…… きれいで可愛くて、料理も上手で、ついでにラッピングもきれいで…… 非の打ち所のない完璧な女の子だ。 あたしは…… 口は悪いし、態度も悪いし、不器用で――― 全然女らしくない。 手に握ったケーキのラッピングがひどく滑稽なものに見えた。 こんなもの…… 渡したって、マドンナのケーキをもらった後じゃ、嬉しくも何ともないよ。 あたしは音を立てずにその場をそっと立ち去った。 メガネが振り返って、 「朔羅さん……?」と囁いたのも気づかずに―――