「普通だろ?」


「普通の親戚同士だったら、こんなことしない」


決して強い口調ではないのに、どこか威圧される。


何なんだ……こいつは…。






「二人は付き合ってるの?恋人同士?」





あたしは思わずメガネを睨み上げた。


そうだったらいいな、って思ったことは何度あったか。


「違げぇって言ってんだろ!!」


ダメだ


あたし、苛々してる。


こんなの八つ当たりなのに、止まらない。


だけどメガネも止まらない。


「だったら、何で許すのさ」


「許す、許さねぇって問題なのかよ!」


「そうだよ。朔羅さんは一途に琢磨さんのことを想ってたように見えたから、もっと身持ちが固いと思ってたよ」


さも幻滅だと言わんばかりに、メガネは大仰にため息を吐いた。


「あたしが軽いって言いたいのかよ!!」


思わずずいと一歩踏み出して、メガネを睨み上げた。





メガネは目を逸らすことなくあたしをまっすぐに見返してきた。





「違うよ。もっと自分を大事にしたら?って言いたいだけ」






あたしは肘を吊り上げた。