「無言は肯定の意味?」


メガネはあたしを覗き込むように顔を寄せてきた。


「…………」


何も――――答えられなかった。


メガネに申し訳ないとか、そんなことこれっぽっちも思ってなかったけど、でもどうしても素直に頷けなかった。


変なの。つい数時間前にはツーショット写真を自慢してやろって思ってたのに。


いざメガネを目の前にすると何も言えなくなる。





無言の時間が過ぎて、何も言わないあたしに焦れたのかメガネの指が頬からゆっくりと顎を伝い、首筋へと移動してきた。


髪を掻き分けるように、ちょっと持ち上げられる。


あたしの肩がぴくりと揺れた。






「桜の痕……」






「は?」


「色っぽいね。キスマークなんてつけて」




は―――!?キスマーク!!!