梶山書店物語〈零〉

「え?本当ですか?」

「本当ですよ」

もともと人と目を合わすのは苦手だ。
異性なら、なおさら無理だ。

いつも自分でもわからないぐらいに何処を見ているのかわからない。

盛岡さんとは、ちゃんと話せてるんだ。
なんだか、嬉しいな。

「あの営業さんが好きなんですか?」

「は?何で、そうなるんですか!?」