梶山書店物語〈零〉

「あの…?」

「在庫チェックさせていただきました」

「はい、ありがとうございます」

永瀬さんに渡された在庫をチェックされた用紙に目を通した。

ふ、と何か違和感を感じて顔をあげてみると永瀬さんが、じっと見ていた。

「え?な、何ですか?」

「さっきの営業さんには顔見て話してたのに俺の時は見てくれませんね」