彼のそのセリフを聞き、あたしは安心したと同時に落胆した。 結局大したことは何もなかった。 すべてあたしの勘違いだったのだ。 それなのに一晩中悩んで、遅刻までして、いったいあたしは何をしていたんだろう。 急に現実へと引き戻されたあたしは、コートのない身に激しい肌寒さを覚えた。 ぶるっと身体が震え上がる。 さすが冬だなあ、寒い。 すると制服の上から何やら暖かいものに包まれた。