「・・学校に相談されたら、

どこか安心して預けることができる施設かなんか

あるかもしれませんよ。」

「そうですね…」

「亜美、施設なんか嫌だ。ちゃんと家でお留守番してるから。

お手伝いも宿題も、お風呂も一人で大丈夫だから。

どこへも行きたくないよ。」

亜美が泣き出してしまった。

 「すみません、佐伯さんあと1日だけ、亜美をお願いできませんか?

もちろんお仕事に差し支えないようにでいいので。

早急に学校に相談してみます。なにぶん頼れる者が近くにいなくて」

「解りました。」

成り行き上・・・引き受けてしまった。

加奈子は、自分でもなんでそんな事言ったのか解ら無かった。

だけど、加奈子は、小さい時に母親に出て行かれた

と言う自分と同じ境遇の女の子が気になって仕方なかった。

面倒な事をつい、引き受けてしまった。

お節介な性分なんだから 仕方ない。