到着時の興奮は続いているものの、少し落ち着いた地子はフリスビーを持ってメロンと出かける。亜子も後を追うと、程なくして嬌声が聞こえて来た。
 地子の腰の入った一投にフリスビーが柵の向こうに飛んでいってしまい、困っていると、3人組の男性が、拾って投げ返してくれた。
 それを、メロンがあまりに見事にキャッチしたものだから、大きな歓声が上がり、たちまちに、打ち解けてしまい、しばし時間を忘れ遊び呆けてしまう。
 最初メロンは交互に投げてくれるフリスビーに大活躍だったが、そのうち、輪になって投げ合うようになるとメロンは仲間外れに、それでも一生懸命頭の上を飛ぶフリスビーを追い掛け回す姿に、走り疲れて死んでしまうと心配した地子が抱きかかえて輪を離れると、隣で投げていた青年も一緒にメロンを心配する。
「メロンは張り切りすぎだね」と青年
「5人対1匹じゃかわいそう」と地子
 年上の男性と、自然に遊んだのは地子にとってもはじめての事、それも、避暑地とメロンのおかげのよう。