そして、別荘に続く林の中の道に入ると、地子は外に見とれてようやく静かになった。亜子も窓外を見続けている。もちろんメロンも身を乗り出して見ている。さわやかな空気に、車はスピードを落としている。
 玄関前に車がつくと、地子が真っ先に飛び出し、ついでメロンが飛び出した。メロンは地子の周りを2,3周すると、勢いよく走り出し早くも別荘を一周してしまった。生まれてはじめての避暑地の別荘に、蚤のようにうきうきの地子。荷物の運びいれなど忘れ、早く遊びたくて飛び回っている。両親は、寛容に見守っているが、若干、苛立ち気味の亜子から、地子に
「あんたも、早く手伝いなさいよ