空き地と畑の多い道は夏のにおいを一層濃くさせた。小巻はジーンズのポケットから携帯を取り出し、時間を確認する。まだ待ち合わせの時間まで余裕がある。傘越しに広い空を見上げると、手の中の携帯が震えてメールが受信された。何気なく開いたそれの送り主を見て、本文を開く。その内容に、小巻は驚いて思わず立ち止まった。

(は?総司と一緒って?)

 慌てて返信画面に切り替え、文章を打つ。

(なんで、総司がいるの?呼んでないよ、と。よし、送信)

 再び歩き出して見上げた広い空の向こうの方に、雲の割れ目から差す光が見えた。ふと、小巻は口元を緩めた。


(神様がいる)