「好きだから、付き合って」

 最終下校時刻に近付くと廊下にも蛍光灯がともる。足音も少し不気味に響く仄明るい廊下で、美羽は生まれて初めて告白された。あまりに突然で、どう反応したらいいのか分からない。相手は小学六年生の時に同じクラスだった高津だ。
 中学生になって半年が経つけれど、高津とはクラスが違うし、中学に上がってから喋っていない。

(え、なんで今なの?ってか、なんで私?)