「上川…」

「覚悟しろ。」

「挑むところだ。」


美沙も雄大も幼い頃から空手をやっている。
だから2人は驚く程強い。

今じゃ、学年…いや学校1強い雄大と、その次に強い美沙。
2人の名前は、学校中のみんなが知っている。
知らない人なんていない程だ。

「待てゴラァァァ!!立石!」

「来いやぁぁ!」

2人の怒鳴り声が教室中に響き渡る。

美沙は容赦なく雄大になぐりかかる。
それに対して雄大は、それを避ける。

美沙の蹴りは鋭く、たまに壁に美沙の蹴りがぶつかるだけで、ヒビが入るんじゃないかってくらいなのだ。


「2人とも!もう終わりにしよ!ねっ?」

そろそろヤバイと思ったあたしは、必死に2人を止める。


…だが。2人はあたしの言葉を聞かない。

すると、雄大のひじがクラスの男子の頭に直撃…

あまりの勢いに男子は頭を抱えた。
それなのに雄大は、「ごめん。」の一言もなく。
ケンカに戻った。

その行動にあたしの怒りは爆発。
「ちょっと!あんたらいい加減にしろっっ!!(怒)」
あたしは、机を拳で殴った。
あたしの声が以外にでかく。
教室中の生徒はあたしに注目。
もちろん、美沙も雄大も目をまん丸にした。


「雄大っ!!」

あたしがいきなり雄大の名を呼ぶと、「俺っ!?」という顔をしてあたしの顔を見る


「あんた!この人にひじ当たってたんだよ!「ごめんなさい。」の一言もないの!?」

「……すまん。」

「ったく…あぁぁ~!!言っとくけど!美沙もダメなんだよ!?女の子なんだからぁ!」

「…はい。」

ったく…この2人は…

あたしは、感情が入り過ぎてしまい、2人に説教をしてしまった…。